【第4回】エストレヤのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

ども。

長くバイク整備に携わっていますと

人よりも手先が器用になります。

いや、器用になる事もそうですけど

何より一番はやっぱり

機械に強くなる

って事でしょうか。

機械だけでなく、とにかく

有機物以外全般に強くなってきます。

あ、思考もトラブルシューティングじゃ

無いですけど、少し理屈っぽくなってくるかも。

これがこうだから・・・こうなって、だからこうなるんだな。

って事は・・・・こうして・・・こうすれば・・・

こういう事なんじゃ無いの?

ってな感じで。

んで年末のお話。

食器洗浄機を使用せずに

手洗いしている嫁を見て一言。

なんで食洗機使わんの?

え?ちゃんと洗われへんねん。

水が出てない所があってさ。

もう6年ぐらい使ってるんで

ポンプの吐出力も弱ってきてるだろう

から致し方ないんでしょうけど、

買い直すのかって言われたら・・・

って事で家事が済んだのを見計らって

食洗機の内側を分解してみました。

※水勢が弱っている原因はポンプじゃ無いと睨んでのこと

食洗機内部を分解中

見事に空っぽです。

底部の大きなパネルとか、ノズルを全て

取り外してある状態なんですけど、

実に簡単な造りですねぇ・・・。

こりゃ考えついた人はよく儲かりますわ。ええ。

ノズルなどが無ければステンレス製の

ポンプがついたただの箱ですからw

掃除機と同じで、最も製品の中で

価格が高いのはポンプって事かね。

掃除機の場合はヘッド部分だそうで。

↓ この続きを読む ↓

でね、水勢が弱ってくる原因は

初めにも書いた通り、ポンプの吐出力が

落ちてきている事によるものが

大半だと思いますが、見てるとどうも

そんな感じでは無いんですよね。

それに、そんな簡単にポンプの吐出力が

落ちる様な安価なポンプは使ってないだろうし。

だとすると、水勢が落ちてくる原因は

経路やノズルの詰り、それにノズルから

吹き出した水の回収効率が落ちているかですね。

で、底部のパネルを分解して確認してみると

やっぱりそうなんだって分かりました。

食洗機ってば、粉末状の食器洗い洗剤を

使用するんですけどね、これがどうやら

経路内部に少しずつ溜まってきてたみたい。

底部に溜まった洗剤

この溜まった洗剤が邪魔して、

ポンプにスムーズに戻るはずの水量が

減ってしまい、結果的に水勢が落ちていた様です。

んでこの経路内部に溜まっている洗剤を全て

排出して、さらに念のために各ノズルを

取り付けた後に、

高音パワフル洗浄モード

を2回程実施した所、無事にいつも通りの

洗浄力を取り戻してくれました♪

数ある洗浄モードの中から、

通常モードしか使っていない場合は

月に一度ぐらいは高温洗浄モードを

庫内を空の状態で使用することを

お勧めします。

※説明書にもそう書いてありますけどねww

では今日もいつもの開店時の

TODAYのグリップ表面温度と

明日の大阪の天気予報をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 閉店時

4.4℃

曇り時々雨

~06時:0% ~12時:0%

~18時:20% ~24時:60%

明日の大阪の天気は、気圧の谷や湿った

空気の影響で次第に雲が広がり、

夜には雨や雪が降る見込みです。

月曜日までこの雨は続くそうで、

来週火曜日頃から一気に気温も下がって

来る様なので体調管理には十分ご注意を。

では今日の本題です。

先日からご紹介している

エストレヤのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

ですが、今日は第4回目となります。

前回までの記事は以下のリンクよりご覧頂けます。

■ 【第1回】エストレヤのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

■ 【第2回】エストレヤのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

■ 【第3回】エストレヤのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

さて、前回までは確か

ラバー類は冷蔵庫で保管しておく

分解したジェット類やキャブレター本体を

キャブレタークリーナーの原液層に

浸け込んで、ラバー類のパーツを全て

冷蔵庫に入れて保管した所まででしたね。

今日はこの続きをご紹介していきましょう。

キャブレタークリーナーの原液層に

浸け込んでいた本体とジェット類を

引き上げて、洗浄油で洗浄完了しました。

※白灯油での洗浄は割愛しました

洗浄完了後

洗浄完了後は、パーツクリーナーを

使用して経路内、ボディ外観の

脱脂洗浄を実施しましょう。

ジェット類についても同様に

経路内部の汚れをパーツクリーナーで

脱脂洗浄しておきましょう。

パーツクリーナーで脱脂洗浄 ジェット類も脱脂洗浄する

ジェット類については脱脂洗浄後、

真鍮ブラシを使用して表面の

くすみを研磨して磨いておきましょう。

真鍮ブラシで磨き上げる

真鍮ブラシで磨きおえたら

もう一度パーツクリーナーで脱脂洗浄して

おきましょう。

んでこれが磨き終わったジェット類ですね。

磨き終わったジェット類

金色に輝くジェット類をみれば

オーバーホールした甲斐があるって

そう思えません?

新品よりも無駄に輝いていますからねwww

キャブレター本体の脱脂洗浄も

終わったら経路内部をエアーブローして

残っている液体を全て排出しておきましょう。

経路をエアーブローしておく

続いてはバルブシートを磨きます。

綿棒の先端にコンパウンドを少量付けて

バルブシート内側を丁寧に磨きましょう。

バルブシートを磨く

んでこれが研磨紙終わった状態ですね。

内側がピッかピカになりました。

磨き終わったバルブシート

バルブシートを綿棒でゴシゴシ磨いた場合、

フロートバルブの摺り合わせ作業を

必ず実施しておくように。

※フロートバルブとの当たり面が研磨することに

よって座りが悪くなる為

※油面が変わったりガソリン漏れが発生したり

することがあるので必ずフロートバルブの摺り合わせ

作業を実施する事

フロートバルブの摺り合わせ作業も至って簡単です。

フロートバルブ先端のラバー部分に、少量の

コンパウンドを付け、ラジオペンチで優しく摘まんで

トントントンとバルブシートにフロートバルブを

叩き付けるようにしていきます。

フロートバルブの摺り合わせ作業

この時注意しなくてはいけないのは、

フロートバルブをクルクルと回転させつつ、

当たり面を整えていくことです。

ただし、回転させるときはバルブシートと

接触していない状態で行う事。

フロートバルブをバルブシートに当てた状態で

横向きの当たり面を付けることは御法度です。

コンパウンドを何度か付けながら

3~4回作業すれば十分でしょう。

フロートバルブの摺り合わせ作業が終わったら、

パーツクリーナーとエアーブローを併用して

残っているコンパウンドを洗浄しておいてください。

洗浄が終わったら、フロートにフロートバルブを

セットしてっと。

フロートバルブをセット

あとはキャブレターに取り付けるだけ。

フロートピンを通して固定しましょう。

フロートを取り付けた

フロートを取り付けたら、次は

油面(H寸法)のチェックと調整です。

フロートを取り付けて、フロートが

自重でフロートバルブ先端の

突起部に軽く触れている程度(※)にしてから、

その時のフロートチャンバー座面から

フロートの最も高い位置までの高さを

ノギスを使用して計測します。

※浮いていても、ピンを押していてもダメです

油面(H寸法)を計測する

エストレヤは、エストレヤRSも

エストレヤカスタムも全て同じ

寸法となっています。

標準のH寸法は以下の通り。

フロート高さ(H寸法):17mm±2mm

マイナス側に数値を振ると油面が高くなり、(濃い)

プラス側に数値を振ると油面が下がります。(薄い)

車両コンディションにあわせて調整しましょう。

経験から言いますと、往々にして油面は

年々高くなってくる物なので、プラス側一杯で

調整する様にしています。(私的に)

つまり、19mmで調整すると言うことです。

特にカワサキ車の場合、バルブシートが

圧入式で交換する事が出来ないので、

先々のことを考慮して油面は低く

セットすることが好ましいです。

他のメーカーの場合はバルブシートも

フロートバルブとあわせて交換する事が

出来るので安心出来ますがねぇ・・・。

まぁ最終的にはみなさんのご判断にゆだねます。

加減一杯で調整することが、常に最良とは

限りませんのでね。

さ、今日は油面の調整まで終わったので

この続きはまた明日更新の記事でご紹介しましょう。

じゃ、今日の作業はここまで!

最後に閉店時のTODAYのグリップ表面温度をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 閉店時

-2.8℃

氷点下また来た!!

しかも真っ暗ww

フラッシュ準備してたんだけどね、

何故だか4枚も撮り直したのに

一回もフラッシュが点灯せず。

で、もう諦めてこの写真を使うことにしました。

それにしても冷えますね・・・。

明日までは何とか最高気温も10℃を

超えてくるようですが、月曜日からは

最高気温も5℃程度までしか上がらないそうですよ。

こりゃ凍るなきっと・・・・(;´Д`)

ではまた明日も元気でお目に掛かりましょう☆

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コメント

  1. mura より:

    昨日キャブをO/Hして取り付け後、コックをPRIにしてしばらく放置しておいたら、エアクリーナーボックスからオーバーフローしました。分解時フロートやバルブの当り面に異常はなかったのですが。それほどシビアなんですか?

    • こんばんは。
      PRIは強制的にガソリンを流すということはご存じかと思いますが、
      裏を返せばガソリンタンクの圧力によってガソリンが多少なりとも
      押し込まれる傾向があるのはご理解頂けるかと思います。

      数多くフロートバルブを見てきた我々でも、
      見た目では異常が無くともオーバーフローが止まらない事があるのです。

      段付き異常というのは、明かな異常であって、
      オーバーフローするかしないかの状況を
      表している物とは異なります。

      面倒かも知れませんが、もう一度分解して
      フロートバルブの摺り合わせ、合わせて
      油面の調整も実施される事をオススメします。

      追伸:PRIレンジでの長時間放置はオススメ出来ません

      • mura より:

        早速のご返答ありがとうございます。
        なるほど、かなりシビアなんですね。もう一度O/Hする前に、本体に付いたままフロートチャンバー外して、燃料送りこんで指でフロート動かしてみてバルブが開閉するか試してみようかと思います。
        (一時的なゴミの噛み込みだったと信じてみたくて…)
        擦り合わせの要領は記事で書かれていたように、綿棒&コンパウンドでよろしいのでしょうか?
        あと、フロートとバルブは単品で注文することは出来るのでしょうか?
        面倒かと思いますが、よろしくお願いします。

        • 摺り合わせは、綿棒でするのでは無くフロートバルブ先端にコンパウンドを少量付けて、
          バルブシートに押し当てて実施します。(押し付けたまま回転させないこと)
          綿棒を使用するのは清掃時です。

          フロートバルブは通常バルブシートとのセット販売になっておりますが、
          カワサキ車に使用されているCVKキャブでは、バルブシートが
          圧入タイプになっている事が多く、その場合はフロートバルブ単品での
          発注が可能です。

          ガソリンコックのレンジがPRIで漏れているのはガソリンが流れているからで、
          通常はフロートバルブで止めますが、現状としては止まらない状況ですよね。
          ONにして漏れなくなるのは、エンジンを始動させていないので負圧が
          発生しておらず、ガソリンコックの弁が開いていないからです。(つまりガソリンが流れていない)

          PRI→漏れる
          ON→止まる(弁が開いていないので当然です)
          ON(エンジン始動)→漏れる(結果的にPRIレンジと同じです)

      • mura より:

        すみません、もう一つ質問です。
        現状でもコックをONの場合はオーバーフローしないので、そのまま乗り続けるのはOKでしょうか?