【第9回】VS1400イントルーダーのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

車両がレッカーされてきた

ども。

朝からお客様より連絡があり、ツーリング中に突如エンジンが停止して

走行不能になったので車両をレッカーしますと。

ちなみに車両は、ホンダ スティードのガーターフォーク装着車です。

なので一般的な荷台が斜めになるタイプのレッカー車ですと、全長が長く

積み込み作業を基本的に一人で行えない車両の場合、写真の様に荷台そのものが

地面に完全に降りるフルフラットローダーがレッカー車として手配されます。

もちろん、レッカーを依頼する段階でオーナーがその旨伝えておく必要は有りますが。

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一体、車両に何が起きたのか

悩む

事故では無く故障でのレッカーと言うことで、エンジンが停止した当時の状況をお客様より詳しく聞いてみました。

どうやら停止直前からスロットルレスポンスが急に悪くなり、

パァーンッ!パパパパァンッ!

とアフターファイヤーを連発した後、ガス欠の様に停止したというお話でした。

んー…ガス欠じゃない?w

この話にはまだ続きがあって、停止と同時に各種電装系が

全て通電しておらず、インジケーター類も全く反応無し。

メインキーをいくら操作してもニュートラルランプですら

ぼんやりとも点灯しないと。

原因はガソリンじゃ無い

ガソリンコックをONにする

プラグが被った時の様なアフターファイヤーと同時に失速していく車両。

間もなくスロットル操作に回転数が付いていかなくなり、やがてはエンジンが停止。

そして、イグニッションキーの操作を繰り返し行うも全電源喪失…

単純なガス欠であれば全電源喪失を同時に引き起こすなんて事は考えられない。

むしろガス欠であれば、ガソリンコックをONからリザーブに切り替えてしばらくすれば問題無くエンジンは始動するでしょう。

ガソリンコックは一番始めに確認したけれど問題無し。

イグニッションの操作をしても電源が通らないし、念のため押し掛けまでご友人に手伝って貰って実施したとの事。

原因の所在は?

バッテリーと接続しておく

完全にバッテリーが上がっている状態で、スパークさせるのに必要な電力が足りていない状況だということは明白ですね。

完全にバッテリーの残量がゼロになると始動出来ないのは当り前ですが、ぼんやりニュートラルランプが点灯する位の残量があれば、お客様が行った様に押し掛けを行えば再始動が出来るはず。

でもこの方法で再始動出来るのはごく短時間の間にバッテリーを上げてしまった場合で、例えばイグニッションをOFFにし忘れた時等。さらに、バッテリーの健康度が良い状態の物のみ。

バッテリーが完全放電してしまった場合や、長期間補充電を実施していなかったバッテリーなどでは困難でしょう。

では今回は完全放電もしていないし、長期保管車でもないのになぜ押し掛けでもエンジンを始動させることが出来ないのか。

状況を整理してトラブル原因を探る

スターターリレーを探す

今までに分かっている事を整理してみます。

トラブルシュートの基本です。

・走行中のアフターファイヤー
・ガソリン残量は問題無し
・全電源喪失
・押し掛けを実施するも始動せず
・時間経過で少しバッテリー電力回復

ここから推測されるトラブル原因は4つ。

1つ目はバッテリーの寿命

息絶えたバッテリー

ただし可能性は低いですね。

突然お亡くなりになる事も有り得ますが、2つ目以降のトラブルの方が圧倒的に可能性が高く、それらと比べれば相対的に可能性は低くなるという事です。

2つ目はレギュレターが死亡

レギュレター

恐らく可能性とすればこれが最も可能性が高いトラブル原因で、バイクの電装系トラブルではナンバーワンと言っても過言では無いでしょう。

当然、レギュレターが走行中に突如お亡くなりになるなんて事なんて日常茶飯事。いや、むしろほぼ100%走行中に発生するものなのです。

3つ目はジェネレーターが死亡

ジェネレータを取り外した

可能性第2位がこのジェネレーターのトラブルですね。

使用期間が長ければ長くなるほどトラブルリスクが高くなる部品です。

レギュレターが仕事をするにはまず、大前提としてジェネレーターから交流が送られて来なければなりません。

今回のトラブルでも十分に可能性が疑われる部品です。

4つ目はレギュレター、ジェネレータ両方が死亡

サービスマニュアル

これが最も最悪のパターンですね。

ジェネレータは単独で点検を実施することが出来ます。

でも、レギュレターに関しては交流の入力が無いと診断出来ない事が多い部品なのです。

レギュレターの点検方法がサービスマニュアルに記載がある機種と
そうで無い機種がある

交流電源の入力さえ有ればあとは出力が規定通り有るかどうかの確認だけですので。

とにかくガーターフォークが長すぎて店内の圧迫率が高いので、

出来るだけ早く修理をしてお客様にご返却出来ればと思っています。

また、実際トラブルシューティングを行いながら実施する

修理作業については記事にしてご紹介しますのでお楽しみに♪

今日もちょっと冒頭長くなっちゃったから急ぐよ!

今日もいつもの開店時のTODAYのグリップ表面温度と、

明日の大阪の天気予報をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 開店時

23.0℃

曇りのち雨

曇りのち雨!

~06時:0% ~12時:10%

~18時:60% ~24時:60%

明日の大阪の天気は、湿った空気の影響により概ね曇りで、西日本の南海上を前線や低気圧が通過するため、夕方から次第に雨となる見込みです。

午後以降今日に引き続き降水確率が高くなっていますので、雨具をお持ちになって出勤する様にお願いしますね。

ここから今日の本題

先日からご紹介している

VS1400イントルーダーのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

ですが、今日は第9回目となります。

前回までの記事は以下のリンクよりご覧頂けます。

ども。 今日はちょっと朝から予定外の事が発生して 時間がかなり押しましたが、無事に午前中・・・いや、 正午頃にイタズラされたイグニッションキーの 交換作業を現地...
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ども。 先日記事にしてご紹介したバーディー80に 取り付けたRAYD DELTA LEDヘッドライトですが、 以前のモデルを取り付けたリトルカブと ...
ども。 今日は朝から昨日の記事で書いていた 古紙を処分してきました。 昨日のうちに準備して閉店時に邪魔に なるので山積みにしてあったんですね。 そ...
ども。 紆余曲折有りましたがやっとこさ ブログのデザイン変更が終わりました。 まぁ・・・見れば分かると思いますがw まだまだ設定の段階ですが当分...
ども。 少し前の話になりますが、壊れて修理に 出していたがま口が修理が終わって 戻ってきました。 あ、そういえば修理に出す前のがま口財布の 写真を...
ども。 今日は朝から陸運局です。 いつもの金曜日ならもっと混雑していそうなもんですが 今日は随分と空いてました。 いつも陸運局に行く時は予め書類などは ...
ども。 揺れましたね。 大阪は震度4だったそうで。 初めは小さくゆらゆらっと来たな・・と思ってデジカメを 持って立ち上がった所でグラグラグラグラ...

さて、前回までは確か

取り外したエアージェット

フロント側キャブレターのカットオフバルブを取外し、その内側にセットされていたエアージェットを取外し終えた所まででしたね。

今日はこの続きをご紹介していきましょう。

トップカバーを取外していきます。

固定ボルトを取外しますが、バンドやステーが共ジメされていますので、それらの位置は把握しておくと良いでしょう。

忘れそうなら写真かメモで残す様にしましょう。

あ…このブログがあるからどっちも要らんわwってのもアリです。

固定ボルトを取外す

ボルトを取外す際は、しっかりとカバーを押さえながら取り外す様に。

固定ボルトを取外したらゆっくりとカバーを開いて、スプリングを取外しておきましょう。

スプリングを抜き取った

次はバキュームピストンをキャブレターから取外しましょう。

リヤ側の時も書きましたが、固着しているからと言ってマイナスドライバーなどでコジッて取外すのは絶対にヤメましょう。

バキュームピストンが削れたりしてコンディションに影響が出る可能性がありますので。

バキュームピストンは取外したらラバースカートをグイッと軽く引っ張って、穿孔やヒビ割れなどが発生していないかチェックしておきましょう。

ラバースカートの点検

ラバースカートは硬化も穿孔もなく問題ありませんでした。

ただ・・・バキュームピストンを取外した後のキャブレター側に問題がありました。

それがこちら。

キャブレターに堆積した何か・・・

なんやこのカスはwww

こんな所に溜まる物と言えばアレしかないよね?

そう、エアークリーナーエレメントですね。

リヤ側は開けてエレメントの状態を確認しましたが、フロント側はそう言えば確認してませんでしたね。

確認せずとももう状態は想像できますが…(;´Д`)

忘れる前に先に確認をしておきましょうか。

これが取外した前後エアークリーナーボックスですね。

前後のエアークリーナーボックス

両方共フタを開けて内部を確認します。

リヤ側は既に確認したので驚く様な事はありません。

エアーエレメントの状態

あぁ・・やっぱり。

って感じですよね。

あれだけキャブレター内部に堆積していたんですから当然ですよね。

指で触ってみますと・・・・

(もそっ)

ボロボロになっているエアーエレメント

お決まりのカステラ状になったエアーエレメントですw

指で触る度にボロボロと崩れていきます。

そりゃキャブレターにもボロボロになったカスが吸い込まれますわ。

でも、まだ9割ぐらいエアーエレメントが残っているからこの程度で済みましたが、酷い物ですと中央部分がごっそり吸い込まれて無くなっていることが有りますからね。

一応もう一度リヤ側も確認しておきましょう。

リヤ側のエレメントももう一度確認する

弾力もありますし状態としては最悪では無いですが、

今回はキャブレターのオーバーホールを実施するため、前後キャブレターの前後コンディションを合わせる為にも新品に交換致します。

定期的にエアーエレメントは交換、または洗浄を実施する様に心がけましょう。

古いエアーエレメントをエアークリーナーボックスから取外します。

エレメントを取外した

エアーエレメントを取外したエアークリーナーボックスは、

洗剤を付けて丸洗いしましょう。

内側に溜まったオイル汚れや千切れたエアーエレメントのカスなどを全て洗い流し、油分を完全に落としてしまいましょう。

エアークリーナーボックスの洗浄

洗浄完了後は夏場なら天日干し、冬場ですと一度エアーブローしてから天日干ししておくと水分を残す心配もありません。

エアーブローだけですと、リヤ側用のエアークリーナーボックスの様に深く分解できない形状の場合は、特に内側に水分が残り易いのでね。

エアークリーナーボックスを天日干し

天日干ししている間に次の作業へと進めます。

バキュームピストンを取外し終えたフロント側のキャブレターのフロートチャンバーを開けていきます。

今回、最もガソリンが漏れていた部分なので内側の状況が気になる所です。

固定ボルトを緩めますが、フロートチャンバーの固定ボルトは往々にして固く締まってる上に舐めやすく、先のチビったドライバーで力を掛けるとあっという間に舐めてしまいます。

注意して緩めましょう。

固定ボルトを緩める

ボルトを取外したらゆっくりとフロートチャンバーを開けましょう。

いやぁ~な予感がするのはこの記事を見ている方も同じでしょうw

(ごくり)

(パカッ)

へ?

キャブレター内部の状態・・・

なんでモザイク掛かっとんねんw

※クリックしてもモザイクは外れませんのであしからず

それはね、この続きはまた明日更新の記事でご紹介するからですよwww

もったいぶってごめんね(⌒-⌒; )

気になるだろうけど大体色から想像してみて下さい。

予想外の事だってあるかもしれませんよ?

明日も忘れずにチェック宜しくです♪

じゃ、今日の作業はここまで!

最後に閉店時のTODAYのグリップ表面温度をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 閉店時

今日は一日中気温が高くて久し振りに汗がボトボト出ましたわ。

そりゃそうですよ。

こっちとら朝晩は冷えこむだろうと思って、紳士用肌着も履いてるし、ロンTに半袖Tシャツでしかもヒートテックという謎の重ね着ですからw

いかに私が寒さに弱いかおわかり頂けると思います。

このまま冬を通り超して春でも来れば良いのに。

ではではまた明日も元気でお目に掛かりましょう☆