ジェットフォース125のアイドル不良

ども。

毎年のことですが、この時期になると必ず花粉症に悩まされます。

花粉症だけならまだしも、急性蓄膿炎を併発しちゃって数日間は微熱が続きます。

年々花粉症の症状が重篤化しているのが自分でも良く分かります

頭も重いし、節々は痛いし、食欲は無くなるし、鼻は利かないしで、

殆ど風邪の症状と同じでこまったモンです。

それはさておき、去年の暮れに納車したジェットフォースのお客様より入電。

お客様『信号待ちでエンジンが止まっちゃうんです。

暖気終了後も必ず止まるんですよ。アクセル離すと・・・』

『走りはどうですか?アイドリング時以外に何か走行に不具合が出ていますか?』

お客様『いや、それ以外は特に問題は無いですねぇ~。』

お客様『あ、そうそう。メーターの中の【K】と書いたランプが点滅してます。』

『なるほど・・・。症状は今出たばかりですか?』

お客様『今日ですねぇ。症状出たのが。それまではなんてこと無かったんですよ。』

・・・そして当日中にご入庫くださいました。

到着して早々にまずは症状を確認。

キュキュキュキュ・・・・・・・・・ブルルルルルルルルル。

始動性は特に異状が認められませんが、アイドルング不良と吹け上がりが重たいですね。

エンジンを始動してメーターを確認すると以下のような状態。

時計も狂ってるし、問題の【K】ランプも点滅。

■Injection system diagnostic warning light

インジェクションシステムにトラブルが出てるよー

エンジン始動すると点滅に変わります。

インジェクションシステムの問題を見つけて自己診断してお知らせしてくれる機能。

つまり、これが点滅するときはなんらかの不具合が出ている証拠です。

場合によっては一瞬点滅してたけど、消えちゃったよ?

ってことも有ります。

今回は点滅しっぱなしですし、あきらかに不調です。

まずはインジェクター付近の問題を探る為にメットインボックスを取り外してみました。

取り外して開口一番。

『おいおい。バイパスバルブの配線千切れてるじゃんか・・・・』

今回のトラブルの原因はコイツで間違いないでしょう。

試しに千切れた配線をとりあえず接続してエンジン始動してみました。

キュキュキュキュ・・・・・・ドドドドドドドドドドド。

実に快調です

アイドリングも吹け上がりも問題ありません。

しかし、トラブルは改善した物の原因を追究しなくてはなりません。

そのままにすると再発の可能性が有りますから。

色々と見ていて気が付いたのですが、センタースタンドで立てている時は

特に問題を感じないのですが、スタンドを下ろして車体をグイグイ上下に動かすと・・・・・

配線が引っ張られてる・・・・・

ワイヤリングを確認すると純正のワイヤリング通りですが、

このバイパスバルブ周辺にあるメインハーネスのクランプ位置が悪く、

全体的に全ての配線を引っ張ってしまっているようです。

で、今回バイパスバルブの配線が引き千切られたという感じです。

それが分かれば後はワイヤリングをもう少し余裕を持たせて改善させました。

プジョーのジェットフォースは何かと固有のトラブルがありますね・・・。

このハーネスの一件もそうですが、純正マフラーの内部パンチングの溶接不良とか・・・。

ジェットフォースの純正マフラーは、かなりの確立で振動による金属疲労で

内部パンチングが脱落してしまいます。

脱落すると、走行中にマフラーから

『ガラガラガラガラガラガラ・・・・・・・・・』

・・・と、物凄い音が鳴ります。

そのまま乗っても問題はありませんが、とにかく音が気になって走れません

コレを見ているジェットフォースオーナーさんの中にもいらっしゃるのでは?

と思っています。

当社にマフラーをお送り頂ければ修理出来ますのでお気軽にご相談下さい。

話はそれましたが続きを。

バイパスバルブから千切れそうな配線とカプラを取り外して

修理が可能か確認したところ、相当な力が掛かったようで

カプラ内部の端子を固定している爪が破損していました。

ジェットフォースに限らず欧州車のカプラは日本車のように

手でパチン♪とはいきません

コの字型のクリップでカプラが固定されています。

また、カプラ内部の端子も、端子の固定方法も日本車とは異なります。

カプラが再生不可ですので、バイパスバルブに直接配線する

必要が出てきましたので急いで必要な部材を買いに行きました。

んで、今回使用したのはコチラ。

エーモンさんのスピーカー端子セット!

端子の細さがバイパスバルブにジャストフィット!

※ややエーモンの端子の方が細いので脱落防止にGOODです。

多分ハウジング用端子でもOKでしょう。

チマチマと配線を処理して・・・・

こんな感じで出来上がり。

ここであえてオス端子用のスリーブを使用したかというと、

端子をそのまま差し込んだだけでは抜け落ちたり、接触不良を起こす可能性が有るので

バイパスバルブに接続後にシリコン充填処理して固める為なんです。

メス端子用のスリーブは太くてカプラ内に収まりにくいのと、シリコンがくっつきにくいので

あえて端子部分は剥き出しにしています。

その後、配線をバイパスバルブに接続してエンジンスタートして症状が出ないか確認しました。

キュキュキュキュ・・・・・・・ドドドドドドドド

問題なく始動です。

あとは周辺にある配線類の取り回しを変えたり、

チューブ処理したりして完成です。

とにかく、ワイヤリングがギリギリです。。。。

抜本的な解決にはメインハーネスを一度取り外した方がいいかもしれません。。。ふぅ。

これでワーニングランプの点滅も消え、症状も改善したんでOKなんですが

念のためダイアグテスターを使用してさらに故障部位などが無いか確認。

ジェットフォースはフューエルインジェクションで、すでに上記でも書きましたが

自己診断機能を有しておりますので、当然ダイアグテスターを使用して

各部位の点検等ができる様になっています。

まずはバッテリー横(+側)にある黒いカプラを探します。

配線をループ(短絡)させたカプラが接続されているのですぐにわかると思います。

このカプラを取り外して、ダイアグテスターを接続します。

バッテリー端子にシリコングリスを塗っているのは腐食防止です。

開放型バッテリーは特にサルフェーションを起こしやすいので、接触不良や腐食を防ぐ為に

納車整備時に必ず行っています。

さてさて、ダイアグテスターを接続してイグニッションをONにします。

ピピピ!

という音と共にダイアグテスター画面にプジョーのライオンマークが現れます。

その画像は無いですがw

画面には各種項目が表示されています。

その中からまずは、【SUPPLY SYSTEM】を選択して

ECUに保存されている故障診断結果を読み出します。

すごい時代になったもんですね。。

コンピュータが自己診断を行ってくれるなんて・・。

でもこのダイアグテスターというシロモノってすごく高価なんで、

どこのバイク屋さんでも持ってるワケじゃないです。

当然、キャブ車にはそんな自己診断機能なんて存在しませんからw

フューエルインジェクションが搭載されている車両であれば、

殆どの車両に接続カプラが用意されてます。

待つこと数秒。

ECUから読み出された故障部位の記録情報です。

うーーーーんスバラシイ

故障個所がズラリ。

今回故障していたバイパスバルブの異状もちゃんと記録されてます。(最下段)

このコードを上から1つづつ確認していきます。

過去に出ていたトラブルも記録されているので、現時点でもトラブルが出ているかどうかを

確認する為に全て記録をとります。

記録をとった後、全ての項目を一度クリアしてダイアグテスターを取り外して

通常通りエンジンをしばらく掛けます。

んで、もう一度ダイアグテスターを接続して

ECUに故障が記録されているか確認します。

その確認結果は・・・・・

ハイ。オールクリアでした。

本当に便利な世の中になりましたね。

私たちのように技術や経験を積んだ整備が、いつか必要なくなる日がやってくるのかも・・・・。

で、その後はダイアグテスターを使用して、各電気部品のセルフテストも行いました。

そうなんです。

全てこのダイアグテスター上から診断が出来ます。

●燃料ポンプの作動確認(ウィィィィィーンギュギュギュギュ

●インジェクターの作動確認(ウィィィィーン

●バイパスバルブの作動確認(カポカポッ

●メーターランプ類の作動確認(ピカピカ

●水温系の作動確認(シューーーーーーーーーンと上がるw

以上でジェットフォースの修理は完了です。

オーナー様にも連絡をいれて修理完了の旨お伝えして平謝り。

今回は保障期間中ですのでオーナー様のご負担はありません。

ご購入時にさらに1年の延長保証にもご加入頂いている為、

この先も安心してお乗りいただけます。

だからといって故障しても良いって言ってる訳じゃないですよw

スポンサーリンク

コメント

  1. ながぬま より:

    初めましてながぬまと申します。
    ジェットフォース125の記事は大変参考になり何度も助けられました。
    ありがとうございます。
    現在でもジェットフォース125を大事に乗り続けているのですが、最近、勢いでスロットルボディを交換してしまい、あとになってマニュアルに「スロットルボディを交換した場合必ずECUのリセットをするように」との記載があることに気付きました。
    元に戻そうにも「中はどうなってるのかな?」とスロットルポジションセンサーを分解してしまったため同じ結果が予想されます。
    関東のプジョー取り扱い店に数ヵ所相談したのですが車両が古くテスターをもっていないと断られてしまいました。
    長くなってしまいましたが、テスターを使わずにECUをリセットする方法はないでしょうか、走るには支障がない程度には調整できたのですが、どうしても6000~7000回転付近でプスプスと引っかかってしまいます。
    すでに店舗をお辞めになっていて大変恐縮ですが、アドバイスをいただけると幸いです。

  2. Leia より:

    度々すみません、あれから少し進展があったのでご報告と新たな質問がありコメントさせていただきます。

    あれから、少しネットでサービスマニュアルなどを探し、イモビライザーのランプについて調べました。
    すると、所有しているジェットフォースのランプは三回点滅していました。また、以前からご指摘いただいたdiagランプもセルを回している間中、点灯しておりります。
    このような症状からサービスマニュアルのWrong key or immobiliser module from another machine(入手できたのが英語版なので原文で失礼します。)の可能性が高いとみています。

    しかし、ここで冒頭の新たな疑問が出てきました。
    メインキーはこれまでもすんなりと回せたので、wrong keyではないと思っています。
    となると今回の不具合はCLAMPが他車のものであると考えてもよろしいでしょうか。

    • centrumMC より:

      内容通りだとするとCLAMPであると言う事になりますが、
      これまで同じメインキーを使用して”走行した事実がある”ならば
      一概にCLAMPが原因とも断定しにくいですね。

      というのも、イグニッションキー内部のトランスポンダーの
      不良によっても同様の症状が発生するからです。
      ※符号照合に失敗します

      こういう事があるため、スペアキーを使用して
      確認作業を実施するのですが、赤キーが無いとなると
      本当にやれることは限られてきます。

  3. Leia より:

    こんばんは。
    初めてコメントさせてもらいます。Leiaです。

    いきなりですが、私は最近ジェットフォース125を手に入れたのですが、エンジンが不動になってしまいました。いつもお世話になっているバイク屋さんに修理を依頼したのですが、外車ということで分かったのが、インジェクターから燃料が出ていないということと、プラグから火が出ていないということだけで、お手上げ状態でした。しかし、なんとなくですが故障個所が予想できたので、いくつか質問させてください。

    まず、イグニッションをONにした際なんですが、すべてのランプが点灯した後はイモビライザーのランプも消灯しますでしょうか。私のバイクは針が0に戻った後も点灯し続けるので、イモビライザーが誤作動しているのではないかと考えております。

    また、イモビライザーが作動しているときは、セルは回るのでしょうか。
    これは、エンジンがかからない原因がイモビライザーではないかとバイク屋さんに言ってみたところ、
    イモビライザーが作動していたら通電することがないから、セルもまわらないといわれてしまい。そのあたりの点検をしてもらえなかったため、質問させていただきました。

    お手数ですが、ご回答お願いいたします。

    • centrumMC より:

      こんにちは。

      状況は分かりました。
      イモビライザーの点灯または点滅については
      数パターンありますが、長くなるのでザックリと
      分かる範囲で診断しますね。

      まず確認です。
      イグニッションONでセルスターターが動作するのは
      全くもって正常動作です。

      キーによって【物理的】に電源のON/OFFを制御している
      イグニッションを、【電気制御】でカットする仕組みは
      コスト高に繋がるどころか、そもそも点火カットや燃料ポンプの
      電源をカットする制御の方がコストも低く、また制御し易いのです。

      こうしたイモビライザー仕組みは、スマートキー以外の
      物理キーを使用しているモデルでは大半がこの方式です。

      ですので、セルが回るのは正常動作です。

      で、セルスターターを使用している際などに、
      メーター内部の黄色いdiagランプは点灯していませんか?
      diagランプが点灯しているのであれば、何らかの不具合が出ている証拠です。
      ※暫くセルを回すと点灯する事も有ります

      そちらで出来る診断としては、
      まず現在ご使用になっているキーをスペアキーまたは
      赤キーに交換して動作チェックをお願いします。
      ※赤キー:マスターキーと言われるカギで、持ち手の部分に赤い
       マークが入っているか、1本だけ持ち手部分が特殊な形状をしています

      キーにはトランスポンダー(符号通信ユニット)が内蔵されており、
      極希に内部のトランスポンダーが不良となっている場合があります。

      ※赤キーをお持ちで無い場合
      >> キーの複製・追加が出来ません
      ※ホームセンターなどで複製したキーの場合
      >> そもそもトランスポンダーがないのでエンジン始動出来ません

      イモビライザーのランプに関しては、短く点灯した後
      消灯するのがエンジン始動OKの状態です。

      点滅を繰り返す状態は何らかの異常が認められます。

      なかなか手の掛かる車両ですが頑張って下さい!

      • Leia より:

        ご回答、ありがとうございます。

        ということは、何らかの原因でイモビライザーが作動している可能性もあるという認識でよろしいでしょうか。

        また、元々中古で入手した車両ですので手元にあるキーは黒いキー一本になります。

        これから挙げていただいた、確認箇所を点検してみたいと思います。

        • centrumMC より:

          うーん・・・。
          まぁ確かに何らかの原因でイモビライザーが作動しているのは
          間違いないですね。

          しかし、原因追求にも赤キーがない以上、
          出来る事は限られてくると思います。

          鍵の複製も出来ませんし・・・。

          最終的に行き着く先は、CDIユニットとイグニッションキーASSY
          での交換となってしまい、かなり高額になってしまいます。

          大変でしょうが頑張ってください!

          • Leia より:

            ご回答ありがとうございます。

            イグニッションキーASSYの交換は予想していましたが、CDIユニットも交換しなければいけないのでしょうか?
            これまでインジェクションの、しかもイモビライザー付の車両を所有したことがないので無知ですみませんが教えていただけますでしょうか。

          • centrumMC より:

            イグニッションキーシリンダー本体に通信ユニットや、
            マスターキーの符号が記録されているわけでは
            ありませんので・・・。
            ※正確にはCDIではなくイモビライザー機能の中枢部分である
            CLAMP(737924)とイグニッションキーASSYを交換する必要が有ります。
            ※分かりやすく説明するためにCDIと記述しました

モバイルバージョンを終了