【第3回】バリオスのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

ども。

先週末にお預かりしていたホンダのTODAYなんですが、

エンジンに始動も至ってスムーズでアイドリングも終始安定。

これだけならなんら問題ない。

でも、センタースタンドを下ろしてシートに腰掛けて

いざ出発~っ!!

(スロットルを開ける)

ぷすすすすぅぅぅっ・・・・

何度やっても同様の症状です。

センタースタンドを下ろしてシートに腰掛けて

スタートしようとするとエンジンストール。

センタースタンドを立てた状態だと、ちゃんと吹け上がるのに

スタンドを下ろすと何故だかダメ。

うぬぅ・・・・。

センタースタンドの動作と連動しているのは間違い無い。

※トゥデイはハイテンションコード、IGコイルの配線がフレームと擦れて

 ショートするトラブル事例が意外と多い事を踏まえて

んで、まずは初歩的な部位からって事で、

スパークプラグを点検しようと、フロア部分にある

メンテナンスホールを開けてエンジン始動。

※実際は所用で外装を分解してあります

ボディアースさせたドライバーをハイテンションコード周辺に

近づけながらスパークプラグのリークチェックをしてみると・・・

コードのリークテスト

(ピチチチチチチチチチッ)

おおっw

リーク特有のピチピチ音が聞こえるぅぅっ!

んぁ???なんだか様子がおかしい・・・

↓ この続きを読む ↓

確かにリーク特有のピチピチ音はよく聞こえてきますが、

ボディアースさせたドライバーに向かってリークはしている様子が

ありませんね。

トゥデイ特有のフレームとのリークも確認しましたがそれも違います。

でも、依然として微少のリーク音が連続して聞こえます。

ハイテンションコードを動かすとね、時々リークがおさまったり

激しく聞こえる様になったりします。

アイドリングもね、リーク音に併せて上下しているので

不調の原因は点火系で有ることは間違いなさそうです。ええ。

って事で早速スパークプラグを取り外すために

プラグキャップを掴んで取り外しましょうかね。

プラグキャップを取り外す

んぎゅぅぅ~~(カリカリカリ)~~

ポコンッ!

(カランコロン)

なんか一緒に出てきたwww

何かが一緒に出てきた

見たことがある金属棒・・・です・・・ね。

うぬぅ・・・・(滝汗)

手にとって見てみると

プラグの中心部

これ・・・プラグの中心部ちゃいます??w

なんで抜けてますのw

抜けてきたらダメですってば。

さらにスパークプラグ本体を取り外していきます。

スパークプラグを取り外す

トゥデイのスパークプラグの取り外しには、

スナップオンのこのラチェットでは実はやりにくいのです。

フレームとの隙間が少ないので、工具を最後に抜き取れなくなるんですよね。

んでこれが取り外したスパークプラグ。

取り外したスパークプラグ

ちょっと黒く煤けてて、中心電極がやや減っています。

んで、先ほど抜けちゃいけない中心部が

どうなっているかというと・・・

抜けてしまった状態

おおぉぅっw

完全に中心部が空洞に。

先ほど抜け落ちていた中心部を差し込むとこういう状態。

中心部を入れてみる

そりゃ・・・そりゃ・・・・そりゃ・・・あきませんわw

イグニッションコイルから送られた電気が、

こんなグラッグラの中心棒を通って先端まで到達して

スパークさせていたのが奇跡のようですwええ。

だから、センタースタンドを下ろした時の振動で

エンジンがストールしてしまったんですね。

スパークプラグも定期交換部品です。

こういう状態になる前に定期的に交換を実施しましょう。

オートバイには常に振動が付きものです。

見た目では異常が無くとも、内部的に破損しているなんて事は

良くあることなので、(これも良い事例)予算の都合もあるかと思いますが

転ばぬ先の杖ですよ、ほんとに。

当然、新品のスパークプラグに交換してからは

症状も再発しませんので、コレにて一件落着です♪

今日は珍しく冒頭でちょっとした整備記事を書いてみました。

※記事にするにはちょっと・・・って感じだったのはここだけの話

では今日もいつもの開店時のTODAYのグリップ表面温度と

明日の大阪の天気予報をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 開店時

32.8℃

曇り時々晴れ

曇り時々晴れ!!

~06時:0% ~12時:10%

~18時:20% ~24時:20%

明日の大阪の天気は、気圧の谷や湿った空気の影響で

雲が広がりやすく、南部を中心に午後から雨になるところがあるでしょう。

今週はグズグズの天気になりそうです。

ここ数日続いていた猛暑日も一旦落ち着きますが、

逆に雨ばかり降る日が続く・・・そう・・・梅雨入り間近です。ええ。

では本日の本題です。

先日からご紹介している

バリオスのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

ですが、今日は第3回目となります。

前回までの記事は以下のリンクよりご覧頂けます。

【第1回】バリオスのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

【第2回】バリオスのキャブレターをオーバーホールしてみよう!

さて、前回までは確か

タオルで塞いでおく

キャブレターの取り外し作業が終わって、

マニーホールドとブローバイガス排出用配管を塞いだところまででしたね。

今日はこの続きをご紹介していきましょう。

これが取り外したキャブレターですね。

取り外したキャブレター

まずはエアークリーナーボックスとの接地部分に入っている

Oリングをすべて取り外してしまいましょう。

密着して取り外すのが困難な場合は、新品に交換するか

そのまま取り外さずに作業を続行して下さい。

Oリングを取り外す

次にキャブレターに接続されている、ガソリンホースと

エアベントチューブを取り外しましょう。

ホース類を取り外す

ホース類を取り外し終えたら、キャブレターをひっくり返して

フロートチャンバー部に固定されている、アイシング防止用の

クーラント配管の固定ステーを取り外しましょう。

ステーを取り外す

ステーを取り外したら、キャブレターに差し込まれている

支柱部分をあとは引き抜くだけで、簡単に配管一式が外れます。

配管を取り外す

配管を取り外したらフロートチャンバーを開けていきましょう。

フロートチャンバーの固定ボルトは非常に舐めやすいので、

十分に注意して緩めていきましょう。

ボルトを取り外す

フロートチャンバーの固定ボルトを取り外し終えたら、

ゆっくりとフロートチャンバーを開いていきましょう。

(どきどきw)

フロートチャンバーを開ける

さぁ・・・どうなってるかなぁ・・・

(どきどきww)

パカッ♪となっ!

キャブレター内部

快にフン詰まり

おおおおぉおうっ!!

真鍮製のジェットが、まるでスチール製かと思える程に

茶色く変色してるし、なんだか表面もケバケバケバケバしてる!!

もちろん、匂いは

メェ~ル♪(親指を立てながら)

んで4つともフロートチャンバーを開け終わりました。

フロートチャンバーを開けた

キャブレター内部のジェット類はご覧の通り、

ほぼ全てで閉塞状態です。

フロートチャンバー内部もご覧の通り。

フロートチャンバー内部

緑色を通り越して、すでに黒みがかってきています・・・。

久し振りにこんなにもグッスグスのキャブレターを拝見しました。ええ。

ではキャブレターのインナーパーツの分解作業を行っていきましょう。

まずはフロートピンを固定しているボルトを取り外しましょう。

フロートを取り外す

かなりボルトが腐食しているので気を付けながらゆっくり

取り外しました。

ボルトを取り外したら、フロート、フロートピン、フロートバルブの

一式を取り外しましょう。

んでこれが取り外したフロート類ですね。

フロートを取り外す

次にジェット類を取り外していきましょう。

まずはメインジェットから。

小さいマイナスドライバーなどを使用すると、

欠けてしまうことがあるので注意しましょう。

メインジェットを取り外す

んでこれが取り外し終えたメインジェットですね。

取り外したメインジェット

完全にどのメインジェットも閉塞しています。

経路の大きなメイジェットがこれだけ閉塞しているんですから、

スロージェットなんて・・・ね?

そりゃエンジンも掛かりませんわ。

次はメインジェットホルダーを取り外しましょう。

メインジェットホルダーを取り外す

そしてこれが4本とも取り外し終えた

メインジェットホルダーですね。

取り外したメインジェットホルダー

こちらも見事なまでに殆どの穴が閉塞しています。

ジェットニードルが入る筒になっているので、

そりゃここがこれだけ腐食してりゃ、ジェットニードルも持ち上がらない、

結果的にバキュームピストンも引っ掛かって持ち上がりませんね。

続いてバルブシートを取り外していきましょう。

バルブシート脇に有るボルトを取り外してから、

バルブシートをペンチ等で掴んで取り外しましょう。

ボルトを取り外す

・・・ペンチで掴んで取り外そうと思いましたが、

かなり固着しているのと、無理に取り外すと二度と再使用出来ない

可能性があるため、今回はそのままにしておきます。

※バルブシートはキャブレターから取り外さなければ、

内部のOリングをさほど痛めませんので

※バルブシート部のOリングは単品設定が無い事が多い

さて、今日も割と写真枚数が多くなりましたので

これぐらいにしておきましょうかね。

この続きはまた定休日明けの水曜日にご紹介しますので

忘れずにチェックをお願いしますね♪

じゃ今日の作業はここまで!

最後に閉店時のTODAYのグリップ表面温度をお知らせです。

TODAYのグリップ表面温度 閉店時

26.8℃

今宵は温度もグッと下がって30℃を下回りましたね。

明日以降は雨が降り続きそうなので、少しの間

ジリジリと照りつける太陽は拝めそうにありません。

一雨降るごとに夏へと近づいていきますね・・・。

梅雨入りから夏・・・。

ついにキタコレw

ではまた水曜日に元気でお目に掛かりましょう☆

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コメント

  1. シオミツ より:

    教えて下さい。
    バリオスのキャブをバラしたのですが、セントラムさんの画像のような状態でなく綺麗でした。ジェット類も綺麗です
    なぜエンジンがかからないのでしょうか?

    • centrumMC より:

      こんにちは。
      うーんそうですねぇ・・・。

      確認すべき点が多くて全てを列挙できないので簡単に
      チェックすべきポイントを。

      ・火花が4気筒全て飛んでいるか
      ※数秒間クランキングさせてスパークを確認する
      ・ガソリンがキャブレターまで流れているか
      ※キャブレタードレン部からガソリンが出てくる事の確認
      ・エンジンの圧縮は最低でも10kPa以上あるか
      ※コンプレッションゲージが必要です

      これら全てに問題が無いとするならば、やはりキャブレターに
      問題がある可能性が高くなります。

      一見するとキレイに見えても、経路が閉塞していればキレイかどうかは
      問題となりません。
      多少汚れていても経路が正常に疎通している状態であれば問題ありませんし、
      逆にいくらキレイでも経路に閉塞が認められれば始動は困難となる場合があります。

      状況がザックリとしているので的確なアドバイスが出来ず申し訳ない(つД`)